UbiComp/ISWC 2023参加報告
周 恒(大阪大学)
2023年10月8日から12日まで、メキシコのカンクンで開催されたUbiComp/ISWC 2023に参加しました。この国際会議は、ユビキタスコンピューティング、パーベイシブコンピューティング、ウェアラブルコンピューティングに関するものです。
2023年10月8日から12日まで、メキシコのカンクンで開催されたUbiComp/ISWC 2023に参加しました。この国際会議は、ユビキタスコンピューティング、パーベイシブコンピューティング、ウェアラブルコンピューティングに関するものです。
IMWUT / ISWC TalksとDesign Exhibitionは3日間行われ、Exhibitionエリアではアイテムとスライド紹介のみが展示されました。IMWUT / ISWC Talksは3つの異なる部屋で行われました。Demos & PostersとGadget Showは最初の日の夜に開催されました。参加者は553名で、そのうちIMWUTの著者が270名(50%)でした。参加者は48ヶ国から来ており、最も多かったのはアメリカからの約180人、日本からの約60人でした。
Main paper session (IMWUT / ISWC Talks)では、毎日9つのセッション(合計27セッション)があり、3つのセッションが同時に異なる部屋で行われるため、聴講者は聞きたいセッションを選択する必要がありました。今年のMain paper sessionのフォーマットは大きく変わり、各セッションには7〜8人の発表者がおり、IMWUTの論文は8分間の発表と1分間の質問、ISWC notes/briefsは4分間の発表です。すべてのプレゼンテーションが終了した後、発表者全員がステージに一緒に座るpanel discussionセッションがあり、聴講者は発表者への質問や交流が可能でした。最後に、発表者はポスターを掲示し、再び聴講者と議論することができました。
私は「Indoor GPS-assisted Pedestrian Dead Reckoning」という題目で発表を行い、GPS衛星情報に基づく屋内測位方法を紹介しました。質疑の時間には、多くの聴講者が私の研究に興味を示し、アイデアの交換をし、大いに役立ちました。panel discussionでは、将来の位置情報システムの現在の課題と発展について、全ての発表者に質問がありました。他の発表者の答えから、この分野には将来無限の可能性があると感じました。
基調講演のタイトルは「From Victorian trains to chatbots: exploring AI interface design」で、講演者はProfessor Fernanda ViegasとProfessor Martin Wattenbergでした。議題は2つの問いを提起しました:強力なAIの仕組みはどのようなものか、システムはあなたをどのようにモデル化するのか。sensorやactuatorを使用してAIモデルを解釈し、モデルの状態を表示するためのdashboardを作成しようとしています。非常に興味深い話題だと思います。
他の人のプレゼンテーションの中で、私が最も印象に残ったのは、Liuさんの「TelecomTM: A Fine-Grained and Ubiquitous Traffic Monitoring System Using Pre-Existing Telecommunication Fiber-Optic Cables as Sensors」でした。それは、ファイバーオプティックケーブルのバーチャルセンサーの信号パターンを分析して、各車両を検出、追跡、特徴づけます。非常に面白く、想像力豊かなトピックだと思います。生活の中のどこにでもある情報を検出やモデリングに使用できることを証明しています。ユビキタスコンピューティングのテーマに非常に適しています。
会議の2日目の夜には、ホテルのビーチでgala dinnerと呼ばれるバンケットが開催され、地元の食べ物やパフォーマンスを楽しみました。会議の最終日には、主催者が会議のデータ(論文の受理率など)をまとめ、多くの参加者と今年のmain paper sessionのフォーマットの利点と欠点について議論しました。最後に、次回の会議は来年オーストラリアのメルボルンで開催されることのアナウンスがありました。世界中から来た様々な研究者たちに会いました。オフライン会議の利点は、休憩時間に他の研究者と一緒に問題について議論し、考える機会があることだと思います。参加者は皆さん非常に熱心でポジティブで、話をしていると多くのことを学べます。UbiComp/ISWCは、ユビキタスコンピューティングに関連する幅広い分野の最先端の研究を体験できる国際会議ですので、論文の投稿や参加を検討してください。
最後になりますが、今回のUbiComp/ISWC 2023への参加にあたり、UBI研究会には国際発表奨励賞として、参加費の支援をしていただきました。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。