第86回UBI研究会参加報告
加藤 慶一(慶應義塾大学)
2025年5月15日から2日間にわたり東京農工大学 科学博物館(小金井キャンパス)にて開催された第86回UBI研究発表会に参加しました。本発表会では11件の口頭発表と8件のポスター発表があり、IoT、インタラクション、画像処理など、多岐に渡るテーマで活発な議論が行われました。
1日目はVR、Well-being、IoTに関する口頭発表とポスター発表が行われました。中でも特に印象に残った研究は「メアンダ形状の電子ニットによる全身電池レス無線センサネットワーク」でした。この研究はメアンダコイルをペアで用いることで、体内深部との電磁気的作用を抑えることに加え、動作によるノイズの影響を受けにくくすることが提案され、医療やアスリートへの応用可能性に感銘を受けました。また、ポスター発表では発表者との距離が近く、深い部分まで質問することができ、研究のインスピレーションを頂くことができました。
1日目の夜には懇親会が行われ、美味しい料理やお酒を楽しみながら他大学の学生や先生方と交流することができ、大変充実した時間を過ごしました。
2日目はインタラクション、画像処理に関する口頭発表が行われました。中でも特に印象に残った研究は「クラウドソーシングにおける対話型インタフェースを用いたアノテーションタスク遂行時の回答品質低下の検知手法」でした。この研究では、アノテーションのクラウドソーシングで問題となる品質低下問題に対し、依頼者側のコストを大きく増やさず、かつ作業者に不快感を与えずに品質低下を検出する手法が提案されました。私は2日目の午後に「オクルージョン解析による物体追跡器の動的パラメータ最適化」という題で発表しました。多くの参加者から質問や今後の研究に大変参考になるコメントを頂きました。
最後に、このような貴重な体験ができた本研究会と、運営に携わられた先生方に改めて感謝を申し上げます。再び本研究会で発表ができるよう、今後とも研究活動に精進してまいります。
UBI86プログラム:https://sigubi.ipsj.or.jp/seminar86/
UBI86 情報処理学会 電子図書館:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=1745390455579