PerCom2023参加報告
野村 篤史 (東京工業大学)
2023年3月13日〜17日にアメリカのアトランタで開催された,ユビキタスコンピューティングに関する国際会議であるPerCom2023に参加しました.参加者は,約300名で,参加者が一番多かった国は,アメリカ(69人)で,次いで日本(57人),ドイツ(38人),イタリア(28人)とのことでした.会議は3日間の本会議と2日間のワークショップで構成されていました.本会議では,152の論文の中から査読を通過した27の論文(採択率17%)のプレゼンが行われました.
論文の内容ごとに,
- Driving, Riding, and Walking
- Security and Privacy
- WiFi Sensing
- Systems & Middleware
- Best Paper Candidates
- Sensing
- Human Activity Recognition
- Pervasive Communications
私は,「Device-Free Multi-Person Indoor Localization Using the Change of ToF」という題目で,無線電波のToF (Time of Flight) 情報を用いたデバイスフリー屋内測位手法について発表を行いました.質疑の時間には,多くの参加者から質問をいただき,手法の性能や将来性についてディスカッションを行いました.また,自分の研究と似た分野である無線センシングについて研究をされていた参加者の方々とは,プレゼン以外の時間にも交流をし,情報交換や親睦を深めることができました.
Keynoteでは,Carla P. Gomes教授による「AI for Scientific Discovery and a Sustainable Future」と題した講演,Raj Rajkumar教授による「Rising to the Challenge of Autonomous Vehicles」と題した講演がありました.環境,科学,自動運転など幅広い分野へのAI利用についての最新の研究や課題に触れることができ,非常に有意義な国際会議への参加の機会になりました.
本会議の最終日には,ジョージア水族館でバンケットが開かれ,次回のPerCom2024は,3月11〜15日にフランスのビアリッツで開催するとのアナウンスがありました.コロナ禍の収束に伴い,国際会議もオフラインでの開催が再開されています.今回のような対面での発表,議論のある会議は非常に活気があり,オンラインのものより盛り上がっていた印象を受けました.PerComは,ユビキタスコンピューティングに関わる幅広い分野の最先端の研究に触れられる国際会議ですので,ぜひ論文投稿,参加を検討してみてください.
最後になりますが,今回のPerCom2023への参加にあたり,UBI研究会には国際発表奨励賞として,参加費の支援をしていただきました.この場を借りてお礼を申し上げたいと思います.ありがとうございました.