設立趣旨

本研究会は、平成13年度4月から設立された「情報家電コンピューティング研 究グループ」と「知的都市基盤研究グループ」の研究者たちが、互いの研究活動をより活性化するとともに、 今後ますます重要になってきているユビキタスコンピューティングの研究領域に関する会員同士の議論の場を提供し、新たな会員が学会に参加してもらうことを目的としている。

情報家電コンピューティング研究グループでは、ユーザを中心とした生活の情報化の視点から、家庭や車の中といった 身の回りの生活空間におけるユビキタス コンピューティング技術が議論されてきた。一方、知的都市基盤研究グループで はデジタルシティや都市の情報インフラといった都市情報インフラ上での人間中心のサービスやユビキタス情報処理につ いて議論してきている。これらの2つの 研究グループが共通して議論してきた領域がユビキタスコンピューティング領域 で あり、今回、本研究領域の重要性をより明確化するために、「ユビキタスコンピューティングシステム研究会」の設立を申 請する次 第である。

昨今、コンピューティングは既存のコンピュータの領域を超えて、PDA、携帯電話等の携帯情報機器、さらにはいろいろな 家電機器の中に入り込み、ポストPC 時代に向けて急速に進化を遂げている。これらの機器、あるいは、これらが扱う情 報は、人間が朝起きてから寝るまでの一連の行動に伴う情報を扱うことになり、「ユーザを中心とした生活の情報化」が 大きなテーマとして浮上している。今後は、我々が携帯している情報機器と身の周りに遍在する家電機器、センサ機器 等 がネットワークでシームレスに接続された環境で実現される、人間支援のためのユビキタスコンピューティングが新た な分野として大きく期待できる。

ユビキタスな情報処理環境は,人間が生活する(主に都市の)環境と切り離して考えることはできない.そのため本研 究会では守備範囲を情報処理そのものに 限ることなく,それに関連する都市の設計までを含めたものとしたい.ITSと連 携した通信インフラの設計や,都市生活において人間を支援するための様々なセンサの配置とその利用技術,そのため のコンテンツの扱い,更には都市空間その ものの設計などを含む.その意味で従来の情報処理学会の対象領域を広げ, 広く 社会学との連携を求める予定である.この活動は学会自体の活性化や新たな会員の獲得にもつながるものと考 える. 以上の事情を踏まえて、ユビキタスコンピューティングを主眼においた研究会を設立する。

研究分野

  • スマート情報環境
  • ユビキタス機器および制御/管理技術
  • 組み込みシステム
  • システムアップデート
  • セキュリティ
  • ユビキタス情報機器ミドルウェア技術
  • Jini/HAVi/UPnP/エコーネット
  • スマート空間と住宅内インフラ技術
  • ホームネットワーク/ヘテロネットワークセンシング
  • コンテキストの抽出および利用スマートスペース
  • セキュリティ
  • ユビキタス情報機器とインターネットの協調
  • ホームゲートウェイ
  • ネットワークサービス
  • IPv6 利用
  • 都市の情報インフラ設計
  • 社会情報学
  • デジタルシティ
  • 情報コンテンツとサービスの形態
  • ユビキタス生活支援スアプリケーション
  • 情報家電アプリケーション
  • 養護・医療アプリケーション
  • 自動車アプリケーション
  • 都市空間内情報支援アプリケーション
  • 非常時情報支援システム