第88回UBI研究会参加報告
篠田和宏(東京大学)
2025年11月26日から27日にかけて,兵庫県淡路市の淡路夢舞台国際会議場にて開催された第88回ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究発表会に参加しました.本会は第215回ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会との合同開催で,センシングやインタラクション,生成AI・チャットボット,触覚・音響など,多岐にわたるテーマの発表が行われました.


1日目はセンシングやVRなどに関する発表が続き,イヤラブルデバイスを用いた重心動揺計測や,ウェアラブルUWBによる呼吸推定といった研究から,日常環境で身体状態を計測する技術の広がりを感じました.また2日目には,人がAIに対する印象などを評価した研究やチャットボットのUI設計など,人とシステム・生成AIの関わり方を丁寧に分析するHCI系の発表が印象に残りました.
私は2日目のセッション7「触覚・音響」において,「刺繍の縫い方の違いによる触覚特性の変化」という題目で発表を行いました.本研究では,刺繍の縫い方を変えることで,外観変化を抑えつつ触覚特性のみを変化させることを目指し,多様な縫い方から26種類を選んでユーザ実験により触覚知覚との対応関係を評価しました.質疑では,この知見が活用されたインタフェース例やより小さい刺繍での影響についてなどのコメントをいただきました.


2日間を通じて,センシングから生成AI,触覚インタフェースまで幅広い研究に触れ,大変刺激を受けました.今回UBI研究会で発表した研究も,国際会議や論文誌へ投稿し採択していただけるよう,いただいたコメントを踏まえてさらに内容をブラッシュアップしていきたいと考えています.最後に,本研究会の運営に尽力された先生方および参加者の皆様に感謝申し上げます.


UBI88プログラム:https://sigubi.ipsj.or.jp/seminar88/
UBI88 情報処理学会 電子図書館:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/searchpage=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=1761809630620
